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VS蜚蠊

02-28,2012

*グロテスクな描写はありませんが食事前・後には見ないようにしてください





 8月。むんむんに照りつける太陽の下、二人の少年が歩いていた。
「今日の先輩、格好よかったです。」
「まあな、ギリギリ完成したんだ。あの技」
 英雄と呼ばれた少年。ミリタリールックな彼は袖で汗をぬぐう。その体の火照りは、8月ながらの湿気と気温だけが原因ではない。
「スケイルホースこそ、相変わらずの安定した射的だったじゃん」
「先輩、その名前は止めてください・・・・・・恥ずかしいです。」
 スケイルホースと呼ばれた少年。本名は有馬。こちらも先の英雄と同じくミリタリールックな服装をしている。こちらはトップスがノースリーブになっているため英雄ほど汗もかいていない。しかし、それでも体温は平常よりも高くなっていた。
 彼らがこんな服装、状態になっているのには理由がある。
「やっぱりサバゲは面白いですね」
「ゲームの方と違ってスリル感がデカいからなあ」
 サバイバルゲーム。特設されたフィールドで、模擬的な白兵戦を行うゲーム。通常モデルガンを用い、二つのチームに分かれる。一般人から遠ざけれる印象があるため、最近ではネットを介してクランが作られたりもする。スケイルホースというのは、ネットの中で使用されている名前である。
「そうだ、今日うち寄ってかない? 最近当たらしいゲーム買ったんだよ」
 英雄。17歳の男子高校生。
「行きます行きます!」
 有馬。15歳の男子高校生。英雄とは違う高校に通っているが、自宅は英雄の家から徒歩で10分とかからない。
「ああ、今日は妹と母さんが家にいるから、遊ぶのは俺の部屋な?」
「はい。わかりました。」
 後に彼ら二人は――地獄を体験する。



 
「たっだいまー」
「お邪魔します」
 英雄が先に歩き、その後ろを有馬が歩く。サバゲで知り合って以来、何度か有馬は英雄の家にも来ている。
「母さん、今日友達が・・・・・・って、どうした? なんか顔色悪いぞ」
 リビングには不自然にも、部屋の中央にいる有馬の母親がいた。英雄の言った通り、その顔は青白い。
「・・・・・・ああ、英雄おかえり。それに有馬君も・・・・・・」
「ああ、ただいま・・・・・・って、結局どうしたんだよ? 風邪でも引いたのか?」
「そんなことだったらよかったのだけれど・・・・・・。実はさっき出たのよ。『アレ』が」
「なん・・・・・・だと?」
 今度は英雄の表情もキツく、緊張したものになる。
「もう『アレ』が出たのか。くそっ。数はどんなもんだ?」
「さ、三十くらいかしら、いや、もっといるわ。見た限りでも五十近く」
「先輩。『アレ』って・・・・・・何ですか?」
 有馬が不思議そうに訪ねる。何を話しているのか分からずとも、その場の雰囲気で異常事態な事はわかる。
「Gだよ・・・・・・」






 蜚蠊、昆虫綱ゴキブリ目のうちシロアリ以外のものの総称。
「で、でもGって、普通1、2体くらいで、出てくるものじゃないですか? 1匹いれば10匹はいる、とは言いますけど」
「確かに普通はそうかもしれねえ、だけどうちは違う。俺の妹はGを引き寄せる力を持っているんだ」
「な、何ですか・・・・・・それ?」
 有馬が怪訝そうな顔をする。冗談だと思った。しかし、冗談では無かった。
「事情は後で話す。有馬、今日のところは、お前は帰るんだ」
 相手は害虫。他人を、大切な後輩を巻き込む訳には行かなかった。
「・・・・・・です」
「は?」
「嫌です! 僕も先輩と――Gと戦います!」
「で、でもお前・・・・・・」
「だって先輩と僕は・・・・・・ペアじゃないですか?」
「あ、有馬」
「英雄、良い後輩を持ったわね。」
 そう言って、英雄の母親は二人の少年にあるモノを手渡す。
「それは人類の希望。何万年と生きながらえてきた害虫を駆除すべく開発された道具を、G一点にのみ対象をしばり、殺虫力を何倍にも高めたもの。物質工学の発展により、圧力も従来の3倍はあるわ。」
 人はソレを―――ゴキジェットアースと呼んだ。


「いくぞ有馬」
「はい、先輩」
 彼らが目指した先は有馬の妹、妹子の部屋だった。
「妹子は精神が不安定になると、あるフェロモンを分泌する」
「それが・・・・・・Gを呼ぶわけですね?」
 コクリと英雄が頷く。
「今はアイツを安心させなきゃダメなんだ」
 英雄がゴキジェットアースを握り締める。そんな彼に飛来する黒い影が。
「先輩! 危ない!」
 Gは気温が高いと飛ぶのだ。
 有馬が右手に持ったゴキジェットアースをGに噴射する。彼のは長距離用に隙間ジェットノズルがカスタムしてある。
 ゴキジェットアースは、その噴射力ゆえ、小型のGならば、その殺虫力が追いつくまえに、Gが飛んでいってしまう。
「サンキュ」
 壁際に飛ばされたGを、今度は英雄が攻撃する。その白い激流は、小型のGならば殺すのに4秒とかからない。
「よし、進むぞ」
「はい」


 少年二人はどんどんと進んでいく。そんな彼らに立ちふさがるGはかなりの数だったが、それの全てを彼らは捌いていった。
 G討伐戦が初めてにも関わらず、有馬の技は見事だった。英雄が所属しているクランを立ち上げたの自体が彼なのだ。相手の動きを読み、的確にゴキジェットアースを噴射する彼の目は兵士のソレだった。今の彼は有馬ではなく――スケイルホースなのだ。
「先輩! 左です!」
「あぁ、わかってるよ!」
 時に殺し、時に飛ばし、時にかわす。食うかくわれるか、まさにサバイバルゲームだ。



「よし、この部屋の先が妹子の部屋だ」
 英雄がリビングルームへの扉を開ける。
 そこにいたのは今まで倒してきたGの倍はあろうかという、量のG。
「くそっ! こんなにまだいやがったのか!」
 すかさず、二人はゴキジェットアースのトリガーを引く。一度は、その風力でGが退くものの、すぐさま、どこかからGが沸いてくる。
「らちがあかねえ!」
「先輩! ここは僕がどうにかします! だから先に行ってください!」
「でも・・・・・・そしたらお前が・・・・・・」
 二人分のゴキジェットアースでも、押すことのできない数だ、たった一人でどうにかできる筈がない。
「僕なら大丈夫です。妹さんの部屋に行くにつれて、Gの数が増えていってます。タンクトップの僕じゃあ、この先はどちらにしろ無理です。それに――」
 有馬は、バックパックから何かを取り出し英雄に渡す。
「――妹さんが待っているのは僕じゃなくて、先輩ですよ。」
 これ、と有馬は先ほど取り出した物を英雄に渡す。
「お前これ・・・・・・冷凍スプレーじゃねえか・・・・・・!」
「はい。さっきのサバゲでの戦利品です。渡すのが遅れてましたね」
 いくらGといえど、一応は虫。寒さには弱くコールドスプレーをかければ数十秒は動きが止まる。
「では、僕が道を開きます。その間に先輩は」
 そういって有馬は、いや、スケイルホースは右手に持ったゴキジェットアースを前にかまえリビングルームを走り抜ける。
「うぉぉぉぉおおおお!!!!」
「スケイルホォォォォォス!!」
 先輩その名前は止めてください、と聞こえた気がした。



 残すは廊下だけとなった。有馬の言った通り、妹子に近ければ近いほど、Gの発生率も高くなっている。その廊下にはおびただしい程のGが。
 しかし、そんなことで怯えてなどいられない。
 右手には何もかもをなぎ払う、ゴキジェットアース。
 左手には何もかもを凍てつかせる、冷凍スプレーが。
 それら二つを、英雄を使いこなしていた。
「こんなコトのために、両手撃ちを完成させたんじゃなかったんだけどな・・・・・・」
 基本的に、床を這うGは無視をして走り続けた。
 三匹のGが彼を目掛けて飛んでくる。一匹目を右手のゴキジェットアースで払い飛ばす、その間に二匹目を冷凍スプレーで動けなくし、三匹目は、ゴキジェットアースをトンファーの様に振って叩き潰す。
「待ってろ・・・・・・待ってろ妹子!」
 彼は動き続ける。決して長い廊下じゃない。後2,3mで妹の部屋までたどり着く。その数メートルがとてつもなく長く感じた。
 後2m。足がもつれ。躓きそうになるも、両手の缶を力強く床に付けそのまま前転。体は床に付けないように、ハンドスプリングの要領で前へ進む。
 後1m。体ではGたち駆除し、頭では別のことを考えていた。
 ここまで、いろいろな事があった。母親は無事だろうか。有馬はあの後どうなっただろうか。このサバイバルゲーム、自分たちは、勝つことが出来るだろうか。
 そして少年は――ドアノブを手に取った。











すいません。




久しぶりに3人称小説にチャレンジし、
久しぶりにオチなしの、アクションものです。



シリアスアクションです。


アイディア的には、電撃小説大賞で3次選考にいけますね。嘘だけど。

まあ、私に表現力がないので、3人称は苦手です。
短編って、長さ的にプロットもかけないんで、適当に思ったことをかいてるんですよね。

長さはいつもと変わらないと思います。
個人的には、結構気に入っています。

そして、最後に


すいません。
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